冬は北風やすきま風が入らないように工夫し、特に、採光と保温には十分に配慮することです。
子犬は自分で体温の調節ができませんから、常に20度くらいになるように暖房し、寒さで死んだりすることのないようにしたいものです。
夏は、反対にできるだけ通風をよくするとともに、蚊、ハエ、ノミを防ぐ対策も考えておくことです。
産室の床には毛布や敷きものを敷きつめるか、ムシロを敷いたうえに、ワラ縄を切ってほぐしたものを敷いたり、新聞紙を細かく細長く切ったものを敷きつめます。
ムシロや寝わらは日光に乾かしてから使います。
分娩直前の妊娠犬は、産室内をかきむしったり、局部から粘液を出して汚したりしますから、できれば毎日とりかえていつも清潔にしておくように心掛けたいものです。
高橋ナツコ(ペットシッター)
出産予定日の2週間前になったら、そろそろ産室の準備にとりかかり、妊娠犬をここで寝かしつける習慣をつけてやります。
産室はなるべく広いほうがよく、母犬が自由に歩きまわれて、子犬たちと一緒に寝起きできる広さが必要です。
場所は玄関先や勝手口などの人の出入りが多いところから遠ざけ、家じゅうで一番静かで、うす暗く、風通しがよくて直射日光の当らないところ、周囲からはあまり見えないところを選びます。
また、夜に出産することも考えられるので、20ワット程度の電灯設備もほしいものです。
産室を新しく作るときは、大体メス犬の3倍くらいの面積の長方形のものにします。
2頭のメス犬がゆったり寝ころがれる程度と考えればよいでしょう。
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妊娠中の駆虫・注射妊娠犬の駆虫は、母犬の体やお腹の子の健康をそこねる恐れがあるので、避けたほうが無難です。
腸内の寄生虫の駆虫は、交配前にやっておくべきことです。
また、予防注射なども避けたほうがよいでしょう。
流産の注意妊娠犬の散歩には特に注意をはらうことで、うっかり近所の犬に近づけて、けんかなどさせないように・10掛けてください。
妊娠犬はふつうのときよりいらいらしていますから、大げんかをしたために流産した例がたくさんあります。
また、食餌や飲み水にも気をつけましょう。
便秘がちだからといって下剤を与えたり、反対に便がやわらかいといって下剤止めを飲ませたりすることも流産の原因になることがあります。
こんなときは獣医師にまかせ、素人療法はさしひかえるべきです。
高橋ナツコ(ペットシッター)
あまり神経質に考えすぎて、犬舎から一歩も出さないというような過保護はかえって逆効果です。
運動不足になると、難産の恐れがあります。
妊娠中の食餌お腹の子が発育するにしたがって、母犬の食欲もだんだんと増してきます。
できるだけ栄養価の高い食餌を作ってやりましょう。
牛乳や卵黄、動物性の蛋白質、また便秘を防ぐために野菜も与えます。
お腹の子の発育のためには、カルシウム剤や骨粉、乾燥魚類を与えることも必要です。
総合ビタミン剤も効果があります。
食餌を与えるときは、回数をふやして一日に3~4回に分け、少しずつ与えるようにします。
子宮が大きくなっていますから、一時に多くの食餌を与えると、胃腸が圧迫されて苦しくなるのです。
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妊娠してから出産までの期間は、ふつう63日といわれます。
中・小型犬の場合は、これより2、3日早く生まれる場合もあります。
交配した日から63日目を標準とし、56~57日で出産するものを早産、63日以後に出産するものを長期在胎といいます。
妊娠中のニカ月間は十分な愛情をもって、妊娠したメス犬に接してやりましょう。
赤ちゃんが順調に育ち、お産を軽くするために、人間のときと同様に食餌や運動、健康管理には十分気をつけてください。
妊娠中の運動妊娠期間の前半は、日ごろの運動も少し控えめにします。
特にジャンプや木登り、ほかの犬との遊びはさせないように注意したいものです。
しかし、適度の運動は、生まれてくるお腹の
赤ちゃんのためにもなり、安産の助けになります。
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忘れてならないのは、交配した後40日ごろになると、メス犬の体の状態が妊娠犬とそっくりのきざしを見せることがあることです。
乳首が桃色になったり、腹部がふくれる、食欲が増すなど、一見して妊娠の徴候が現れるため、よく間違えさせられます。
これは偽妊娠といって、種オス犬とは関係なく、妊娠とは根本的に違います。
偽妊娠の場合は、体重が増加しませんから、体重をはかれば偽妊娠かどうか見分けられる場合もあります。
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妊娠のきざしは、交配の後、一、2週間くらいのときに、食欲がすすまなかったり、吐き気があったり、いわゆるツワリの状態を示すことでわかります。
ツワリはまもなくおさまりますが、犬によってはこれらの症状がまったく現れず、わからない場合もかなり多いようです。
また、今までより食欲が増してきたのに、交配後3週間くらいのころから急に食欲にムラができたり、吐いたりするようになり、乳房がいくらかふくらんで乳首が桃色を帯びてきて、生殖器などに充血が見え出したら、ほぼ妊娠した
とみてさしつかえありません。
しかし、ほんとうに妊娠したかどうかを判断するには、一カ月後から体重測定をしてみることです。
体重が尻上がりに増加するようなら妊娠は確実なものとなります。
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交配後のメス犬には、牛乳や卵黄など消化のよい栄養食を与え、静かに休息させなければなりません。
メス犬の場合、すぐに輸送するときでも最低3時間は安静にしておくべきです。
自動車や自転車、汽車などの乗り物にすぐのせたりすると、交配させても受胎しなかったり、生まれた子犬が弱かったりする恐れがあります。
遠方の場合は乗り物で帰るのもやむをえませんが、交配時間は朝早くし、夜遅く帰るというように、なるべく交配後の安静時間を長くとるように配慮してください。
できれば、先方の種オスの家、あるいは交配を行なった場所で一両日あずかってもらうのが理想的です。
汽車などで長時間輸送しなければならないときはなおさらのことです。
種オス犬も、交配後は卵の黄身を2、3個与えて疲労回復をはかります。
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種オス犬とメス犬との交配前の見合いを十分にさせることもたいせつです。
メス犬がいやがるのを無理にさせるのは失敗のもとです。
お互いに意気投合するまで、飼い主は気長に待つべきです。
なお、種オス犬とメス犬の大きさに差のあるときは、傾斜した土地を利用するとか、一方の足に台をおいて両方の犬の高さを同じにするとか、つきそいの人がメス犬の局部を動かしてペニスを挿入させやすいように手助けする必要があります。
この場合、つきそう人は交配の経験が豊かな人を選ぶべきです。
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交配させる場所は、なるべく人のいないところ、他の犬のいないところを選ぶべきで、犬舎のそばとか野原などが適当でしょう。
時間は朝か夕方がよく、適当な運動をさせて、排尿、排便をすませ、なるべく空腹の状態でのぞむようにします。
交配にかかる時間は、メス犬、オス犬の性質、体格、年齢、健康状態などで一定していません。
交配に時間がかかったからといって、受胎率がいいとは決められません。
しかし、交配の後で多量のおりものがあったり、交配が5分以内で
終わったりしたときは、もう一度交配させる必要があります。
また、交配をじょうずに終わらせるためには、年齢の若いメス犬には長年の経験を積んだ種オス犬を、年の若い種オスの犬には交配経験のあるメス犬を選ぶと、失敗が少なく効果的です。
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まず、交配する前にしておくことを述べてみましょう。
メス犬は内臓内に寄生虫がいないかどうか、検便して調べておく必要があります。
母犬に回虫がいると、生まれてくる子犬に胎盤感染し、生まれた後も発育不良の弱々しい子犬ができたりします。
また、種オス犬は体を清潔に保ち、ポリープ(局部にできる伝染性の腫瘍)という生殖器病などのないように注意します。
この病気は反対にメス犬がもっていて、交尾のときにオス犬にうつすこともあります。
さて、交配するときは、メス犬、オス犬、それぞれの飼い主がつきそってやります。
ただ、犬によっては人がそばにいると交尾をいやがることもあるので、そのときは犬だけを棚の中に入れ、飼い主は見えない場所にかくれます。
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散歩や運動中も、犬が逃げないようにして、他の犬と接触させないようにしてください。
よく交配に失敗したという例を聞きますが、これは、交配の時期が早すぎるか、あるいは遅すぎることに原因しているものが多いようです。
早すぎる時期とは、メス犬に発情期がきて、オス犬に向かって積極的に尻尾をあげ、誘い入れる姿勢をとりだしたときという説もありますが、これはいちがいに断定できるものではありません。
発情期は4日から12日くらい続きますから、その期間内で血のかたまりのような分泌物の出方がしだいに薄くなりかけたときが一番よいとされています。
また、この時期になると近づいてきたオス犬をメス犬から離すと、かえって追いかけようとします。
その時期が受胎率が一番よいともいわれます。
いずれにしても、適期がきたら、前から予定しておいた種オス犬のそばへ連れてきて、ゆっくり見合いをさせ、交配させるようにします。
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メス犬の交配に最も適した時期は、メス犬の局部から薄い血の混じった分泌液が盛んに出始めて、陰部がふくらみ、幾日かたった後です。
出血、つまりメンスが始まって10日から15日くらいの間の4、5日間で、この期間にメス犬の排卵が行なわれるからです。
この時期になると、メス犬はいつもの落ちつきをなくして、何となくそわそわしてきます。
あたりの臭いをかぎまわり、小便の回数が目に見えて多くなってきます。
このころ、メス犬の腰のあたりを軽くたたくと、じっとして尻尾を上にあげ、左右に動かします。
このころがメス犬の受胎に一番適当な時期といえます。
また、この時分になると、隣近所のオス犬はいうに及ばず、遠く数キロも先のほうからもオス犬が集まってきます。
そして、ちょっとした飼い主のすきを見はからって交尾してしまうこともありますので、この時期はメス犬を外部から隔離して、他の犬と交尾しないように注意しなければなりません。
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発情は、犬の体が一人前に成熟して、繁殖能力がそなわったことを表します。
しかし、発情の生理はオス犬とメス犬で違います。
つまり、オス犬は成犬となって結婚の時期(交尾の時期)を一度迎えますと、その後は自分の子犬を作り出す能力に応じて、いつでも交尾に応じられるのです。
これに対してメス犬は、最初の発情期(シーズン)を迎えた後、ある一定の間隔をおいて発情期がおとずれます。
これを性周期といいます。
つまり、3週間の発情期の後、発情休止期が5、6カ月あり、また発情期を迎えるというように、規則正しく発情期がめぐってきます。
ただし、発情休止期は犬によって、8カ月、一0カ月、一ニカ月というように、長さが違うことがあります。
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ふつう、メス犬は生後8カ月から一0カ月、オス犬は一年一カ月くらいすると発情が始まります。
しかし、これは一定したものではなく、日本テリアのような小型犬は早く、シェパードなどでは、オス犬は生後満2年たってから、メス犬は満一年半くらいといわれています。
また、一般にオス犬はメス犬よりも2、3カ月発情期が遅くなります。
セント・バーナードやグレート・デンのような犬は、すっかりおとなの犬らしい一人前の格
好がつくまではまだ交配の時期はきていないといえます。
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まず最初に訓練する人が水の中に入って、犬の背中が水の表面に出るように、下腹に両手を当てて浮かせます。
前足を水面にあげようとしたときには、頭のほうを軽く押えてやります。
犬が泳げるようになったら、陸の上と同じようにひもをつけたり、またはひもなしで「前へ進め」と命令して水の中へ進ませます。
こうして浅いところから深いところへ進むようになったら、こんどは陸上のときと同じように水面でもいろいろの訓練をしていくのです。
水中での「持ってこい」はボールなどよりもよく浮き、目につきやすい棒切れなどのほうがよく、はじめは陸の近くに投げ、だんだんと陸地から遠ざかるようにします。
水中での「前進」は、訓練する人が対岸へまわって、「来い」の命令をかけ、水面を横断させ、またもといた場所(これを熟地といいます)へもどる訓練です。
この「熟地」は、訓練の始めではあまり変えず、固定させておきます。
「持ってこい」と「前進」とがじょうずにできるようになったら、水中の救助作業にまで延長することもやさしく、そのほかいろいろな応用訓練に使えます。
なお、水中訓練の場合は訓練する人の許可がないのにだまって水の中へ入ったり、水の中でくわえたものを落とすなどという悪い習慣をつけさせないように、くれぐれも注意しなければなりません。
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水には年が若ければ若いほどなれやすいものです。
ですから、なるべく幼犬の時代からしつけるように心掛けたいものです。
この訓練は、犬を水に恐れさせないことがかんじんですから、はじめは山野のきれいな小川の中や小池などの水の中へ犬をかかえて静かにつけます。
そうすると俗にいう犬かきで本能的に4本の足を動かして岸辺のほうへ泳いでいきます。
犬を不意に水中に投げ込んだり、いやがるのをむりやり引きずって水につけようとしますと、
水に対する恐怖心をもつばかりか、突然のことにあわてふためいて、水を飲んでおぼれてしまうことも起こりかねません。
いざというときに水を恐れさせないために、小池や小川の近くで犬の訓練をするなどして、水になれさせておくのもたいせつなことです。
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昼間はなるべく静かな、人の近づかない場所につないでおきますが、夜になったら放します。
このとき庭から外には出ないように柵や囲いをめぐらします。
ときどき犬の知らない人をたのんで庭に近づけ、犬が吠えたときは飼い主が出て行ってよしよしと頭をなでてやり、犬の好物を与えるのも効果的でしょう。
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番犬として育てるためには、子犬から飼うようにしなければなりません。
生後50日ぐらいになると、たいていの犬は飼い主や自分の家に親しみをもつようになり、自分の家を守るという強い気持ちが自然にわいてくるものだからです。
ですから、犬を番犬として飼う場合は、どうしても幼犬の時代からしつけや訓練をする必要があるのです。
拒食の訓練を徹底する番犬の仕事は、まず吠えることです。
犬は少しでも何かに対して異常を感じたときは、激しく吠えたてる習性がありますから、特別吠えるための訓練をする必要はないようです。
ただ、あまりいろいろな人になれさせると吠えなくなり、番犬としての役目をはたすことはできません。
見知らぬ第3者に対しては、常に警戒心をもつようにしつけなければなりません。
したがって、昼間はなるべく飼い主以外の人は立ち入らぬ場所につないでおくべきです。
散歩のときも、なるべく飼い主だけが犬のそばにつき、人気の少ない場所を選んでさせます。
食餌も飼い主か、その家の人だけがやるようにし、「拒食」の訓練を徹底して行ないます。
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これは主に屋内用の愛がん犬にしこむ芸当です。
愛がん犬以外の成犬がこれをやると、何ともユーモラスなものです。
「ちんちん」をしこむには、座らせた犬の両方の前足をもって犬の腰を浮かせるようにし、体をまっすぐ立たせます。
そして、「ちんちん」と言いながら犬のほしがる食物を犬の目の前にちらつかせます。
これが一回終わったら、食物を与えます。
これを毎日、4、5回くり返しますと、しだいに飼い主が手を離してもじょうずに「ちんちん」をやるようになります。
そして、犬は自分が何かほしいときは、飼い主の前にやってきて「ちんちん」をやるようになります。
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室内で飼う愛がん犬の場合、家具をかじったり、貴重品をこわしたり、衣類をかみやぶったり、靴やスリッパをもち去ったりということがしばしば起こります。
こんなときは、すぐその場へ連れて行って激しくしかります。
犬がふたたびその場所に近づいて行ったときは、すぐに「いけない」または「駄目」としかりつけます。
こうすることで、犬にだんだんと言葉の内容をわからせるようにします。
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これは「いけない」でも「駄目」でも号令の言葉はどちらでもかまいません。
この号令は、ふだんどんな場合にも使われます。
すべてのしつけの基本ともなるたいせつなものです。
犬の悪い行為が重いか軽いかによって、激し
くしかったり、軽くたしなめたりと、そのどあいによっていろいろ加減します。
しかるときは声だけにし、手でたたいたり、足でけったりしてはいけません。
大声を出さなければいうことをきかないのは、まだ訓練が足りないからです。
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犬の爪は常に運動させていれば、自然にすりへっていくものですが、犬の歩き方によって、また地面のやわらかい土地や室内で飼っているようなときは自然にはへりません。
伸びた爪をそのままにしておきますと、人や衣服を傷つけるばかりでなく、爪が横に曲がって伸び、足の裏を刺すのでかかとを開き、姿勢を悪くする原因となります。
運動の激しい作業犬以外は、爪を切ってやる必要があります。
爪を切る習慣は子犬のうちからつけておくことがかんじんで、おとなになってから切ろうとしてもいやがってうまくいきません。
爪を切るときは、犬用の爪切りバサミで爪先を切り、後はヤスリをかけて切り口を丸く整えます。
血管の通った生きた爪を切ると出血したり、そこからばいきんが入ることがありますから、十分に注意して切ってください。
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食餌の後や運動から帰ったときは、いつもぬれたタオルで口の周囲をぬぐってやることを習慣にしたいものです。
また、食餌の後は、歯の間や歯ぐきについているカスを取ってやります。
ガーゼを指に巻いて歯をみがいてやるのもよいことです。
犬は人間より虫歯になりにくいのですが、なかには歯痛のために食欲がなかったり、かたいものをかんだときに悲鳴をあげる犬もありますから、虫歯があるかどうか調べて獣医師に治療してもらいましょう。
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犬の目を見て、生気に満ちて輝いているようなら心配いりませんが、涙や目やにが出ていたり、目がしょぼついているときには手入れが必要です。
とりあえず目薬を点眼して、外傷によるものか、病気によるものかを調べてみます。
内部的な原因で充血したり、目やにが出ているときは、獣医師の診断を受けなければなりません。
特に春先はほこりやゴミの多い季節ですから、目やにが出ているときはホウ酸水で洗眼し、毎朝目薬を二滴さしてやり、目のまわりをきれいにぬぐってやります。
症状によって、どんな目薬を使ったらよいか、獣医師に相談するとよいでしょう。
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耳の手入れは毎日やる必要はありませんが、汚れがひどくならないうちに掃除してやりましょう。
特に垂れ耳の犬は、耳の中がしめりやすく、病気にかかりやすいので注意しましょう。
長毛犬種は、耳たぶの内側の長い毛を切って、外側から内側の毛が見えないように短くします。
内側に長い毛がはえたままにしておくと、毛がねじれて玉になり、耳孔をふさいで炎症を起こすことがありますから、余分な毛は抜くか、短く刈り取っておきます。
耳の中の掃除は、綿棒に30パーセントの消毒用アルコールをつけて外耳のまわりを静かにふいていきます。
耳の奥へ入れすぎないように注意してください。
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皮膚や毛は少しでも手入れをおこたると、くさい臭いがします。
皮膚を清潔にすれば、自然に血液の循環がよくなり、新陳代謝が活発になりますが、反対に手入れをおこたると、毛が汚れて新陳代謝が悪くなり、病気になりやすくなったり、伝染病にもかかりやすくなります。
毛や皮膚の手入れの基本は、毎日ブラッシをかけてやることです。
ブラッシングは、ふけやほこり、ごみを取るばかりでなく、ノミやシラミの卵を落とし、皮膚に快い刺激を与え、血のめぐりをよくします。
短毛犬種はブラッシングをしますが、1年に1回、春になると冬毛が抜けてはえかわります。
この時期は目の細かいクシでとかして、古い毛を取ってやります。
長毛犬種はブラッシングのほかにコーミング(クシでとかす)が必要です。
特にマルチーズやヨークシャー・テリアなどの毛は絹糸のように細く、やわらかいので、毛がもつれたり、ちぎれたりしやすいので、ていねいにコーミングしてやりましょう。
ブラッシングのほか、タオルで全身まさつするのもよく、犬の毛が湿気でぬれているときは乾いたタオルで全身まさつをしてやります。
また、夏の間は特に皮膚が汚れやすいので、ときどき水浴させます。
日中の暖かいときがよく、食後2時間くらいたってから行ないます。
体に水を浴びせてやるか、水浴させるかして、終わったら乾いたタオルで十分まさつしてやります。
海に入れた場合は、後で淡水で洗ってやることがかんじんで、これをおこたりますと皮膚炎を起こしやすくなります。
高橋ナツコ(ペットシッター)
犬の健康を保ち、病気を早く発見するには、毎日、犬の体を手入れすることが第1です。
これをグルーミングといいます。
犬の手入れは、わたしたちが毎日顔を洗い、歯をみがき、髪をとかし、入浴することなどと同様に必要なことです。
毎日、犬の体に触れていれば、元気のないときや熱のあるとき、目が充血している、皮膚病が発生している、ノミやシラミ、ダニなどが寄生しているときなども、すぐに気がつき、適切な処置をとることができます。
特に発熱しているときは病気をいち早く発見することができ、大事に至らないですみます。
また、手入れするときは、犬の体温が正常かどうか注意するようにしましょう。
毎日の手入れの基本は、毛と皮膚、目、耳です。
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臨床獣医学は、小児科学と対比されますが、赤ちゃんですと、ノドが赤く腫れれば、むずがったり、お乳の飲み方が悪かったり、熱っぽくなるとかで、お母さんが気づいてお医者さんにつれていくのですが、犬の病気は、犬自身の訴えが少ないですから、一般に発見が遅れがちで、飼主が気づいたときには、すでに病気がだいぶ進んでいることが少なくありません。
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