体をよく観察し、獣医に相談を(高橋ナツコ)

腹部がふくれる原因もいくつか考えられます。

犬のふだんの動作や体の状態、食欲と食事の量、運動量などから判断しなければなりません。

食欲もあり、体全体が太っていて、それで腹部がふくれているのであれば肥満といえましょう。

過食や間食、運動不足などが原因になります。

病的な肥満になると腹部が異常にふくれます。

肥満が進行すると、体の各器官に対して負担も大きくなり、いろいろな障害が出てきます。

適切な食餌療法を行い、運動不足を解消するなど、正常な体重に戻すための努力をしなければなりません。

子犬の場合であれば、寄生虫が腸に寄生すると、腹部がふくらんできます。

食欲があるわりにやせていたり、成長が遅く思えるときは寄生虫症を疑ってよいでしょう。

進行すると下痢や嘔吐が見られ、異物を食べたりしたために腸がふさがってしまう病気です。

寄生虫の駆除や開腹手術など、緊急の処置が必要です。

胃炎も腐敗したものを食べたり、異物、薬物など、刺激物を口にしたことによって胃の粘膜に炎症が起こります。

嘔吐とともに激しい腹痛をともなうのが特徴です。

レプトスピラ症や犬パルボウイルス感染症は恐ろしい伝染病で、嘔吐とともに血便や粘液性の下痢など激しい症状を起こします。

一刻を争う獣医による、治療が必要な病気です。

食中毒は腐敗したものや、消化の悪いもの、薬物、異物などを口にしたことが原因になります。

そのほかに嘔吐や下痢をくり返すネギ中毒が知られています。

高橋ナツコ(ペットシッター)