肛門のう(高橋ナツコ)

犬やネコがスカンクと同様におしりからくさい液をだすことは、意外に知られていないようです。

犬やネコの肛門の両側には、一対の小さな袋があり、この袋を"肛門のう"といいます。

犬は興奮したり、危険を感じて緊張したりすると、この肛門のうからたいへん悪臭の強い液体をだします。

このとき、おしりを床などにこすりつけながら、前足だけで歩くような動作をしたり、おしりを気にしてイライラするようなら、この袋に液がたくさんにたまっているのです。

ときには細菌感染がおこり、肛門のうが化膿していたり、袋がすでにやぶれて、そのまわりに膿瘍ができたり、ひどいときにはその部分に穴があいていることもあります。

こうなると犬はたいへん痛がりますし、苦痛のためにかみついたりします。

大切なのはそうならないうちに、定期的に肛門のうをしぼってやることです。

しかしいちばんよい方法は、健康なうちに摘出手術を受けることです。

そうすれば一生安心ですので、ぜひお医者さんに相談してください。

犬を飼うためには、犬のからだのしくみをよく知っておくことです。

高橋ナツコ(ペットシッター)