雌犬の発情(高橋ナツコ)

雌犬が発情すると、外陰部に出血があるほか、被毛のつやがよくなり、食欲も増します。

さらに排尿の回数が多くなり、飼い主に体をすりよせてくるなどの媚態も見せます。

これらの様子から発情、つまり性成熟が完全と確認できたら、さっそく交配させて差しつかえありません。

しかし、一般的習慣では、初回の発情期は見送ります。

次回に初めて交配させ、出産させることが常識になっており、ことにシェパードなど大型犬種の場合は、一年以後の繁殖がほぼ確定的に励行されています。

ともあれ、初回から交配させるか否かは、その雌犬に、一生を通じて何回繁殖させるかによって、おのずと決まります。

例えば、一生涯に一、二度しか子を産ませない計画なら、やはり初回の発情期は見送って、次回以降の三、四歳の折に出産させる方がよいでしょう。

年に二回の発情ごとに交配させることは、母犬の老化を早め、飼い主の手数や心労もひととおりではありません。

年に二回の発情は、春秋の二季にあるといわれていますが、これは比較的春と秋にその例が多いということであって、確定しているわけではありません。

高橋ナツコ(ペットシッター)