性周期(繁殖周期)について知っておく(高橋ナツコ)

雌犬の卵巣の変動にともなうホルモン作用によって起こる生体のさまざまな変化をとらえて、いくつかの期に分類し、それらの順序だった繰り返しを性周期といいます。

発情前期出血のはじまりから雄犬に交尾を許すようになるまでの時期で、七~一〇日ぐらいが普通です。

これより以前から卵巣が活動をはじめ、卵胞が発育し、女性ホルモンの分泌が盛んになり、子宮や膣に、交配や妊娠に必要な準備を起こさせます。

外陰部は徐々に大きくなり、出血量は、この期間の中頃がピークで、後半は減少するのが普通です。

発情期雄犬に交尾を許すようになり、排卵が起こる時期です。

卵胞は排卵直前まで発育し続け、破裂して卵子を外に出すと、女性ホルモンの分泌も止まり、排卵後の卵胞に黄体が形成されて、黄体ホルモンがでるようになります。

最近の研究で、犬の排卵は発情期に入って二~三日目に起こることが確認されましたが、排卵直後の卵子は未熟で受精能力がなく、卵管内で分裂発育しつつ、約七二時間(三日)後に受精能力を持つようになり、一〇八時間(四日半)もの長いあいだ受精可能です。

この発情期は、八~一四日間とかなりの幅がみとめられます。

発情後期発情が終了して、外部的な徴候がなくなるまでの時期です。

発情休止期卵巣の活動が休止している時期で、次の出血までの数ヵ月です。

無発情期とも呼ばれています。

高橋ナツコ(ペットシッター)