注射療法(高橋ナツコ)

砒素剤を、その犬の病状や体力に合わせて二回~数回に分けて実施します。

現在使用されている砒素剤は、毒性も比較的少なく、安全性の高いものですが、注射前に犬の健康状態を詳しく診てもらい、肝機能検査なども受け、肝機能低下があれば、前処置をしたうえで砒素剤の注射を受ける方法がよいでしょう。

砒素剤でフィラリアを殺すことが可能になりましたが、治療にともなう反応は多かれ少なかれ避けられませんので、次のようなことを知っておくことがたいせつです。

1)砒素剤の反応

2)砒素剤による肝臓や腎臓の障害

3)死滅した虫体による肺動脈の塞栓この三つの反応のうち2)は、ある程度体力もあり、注射前の臨床検査で肝機能不全など軽度であれば、それほど心配はいりませんし、注射後一週間ほど、とり立てた異状がなければ安心です。

3)の肺動脈塞栓は、一週間以降三週間ぐらいの間に起こる可能性のあるもので、発熱や呼吸状態の悪化、発咳、喀血などの症状があらわれ、死亡する例も少なくありません。

注射後の獣医師の注意を守って、異状があらわれたら、早めに手当てを受けます。

高橋ナツコ(ペットシッター)