外科療法(高橋ナツコ)

現在二通りの術式があり、第一の方法は開胸(胸部を切開)して、心臓に直接アプローチして虫体を摘出する心臓手術です。

第二の方法は、頸静脈切開を行なって特殊鉗子を心臓に挿入し、虫体を取り出す手術です。

いずれの方法をとるかは、症状、体力などに応じて使い分けられます。

重症にならないうちに検査を受けるフィラリアは以上述べたように、犬にとって重大な病気です。

注射療法でも手術でも、一〇〇パーセント治療可能ではありません。

無症状のうちに発見し、治療を受けることがたいせつです。

このような早期治療のための砒素剤注射を「予防注射」と呼ぶのはまちがいです。

予防注射とは、病気に感染しないように前もってする注射のことですから、砒素剤は、寄生しているフィラリアを殺すことができても、注射をしておけば感染が防げるという効果はありません。

砒素剤注射は早期治療に応用されるのです。

高橋ナツコ(ペットシッター)